ねこになりたい

読書と備忘録

澤円 「疑う」からはじめる。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今までの“当たり前”が大きく変わり、働き方に疑問を持つようになった。更に、この“当たり前”に疑問を持たずに前例通り物事をすすめていては、時代に乗り遅れることに危機感を覚えた。そこで『「疑う」からはじめる。』を手に取った。

 

この本を読んで、自分の頭で考えること、時間を大切にすること、自分の価値を高めること、を意識して生活することで、より楽しい生活が送れるな、と思った。

 

印象に残っている一文が「“外のものさし”をもつこと。」である。自分が市場の中でどんな位置にいるのか、どんな価値を持っているのか、「外のものさし」をもって、今の自分を俯瞰することで価値が見えてくる。今までなんとなくしていたこと、当たり前だと思っていたことを俯瞰することで、自分の頭で考え、時間を大切に使い、自分の価値を高めることができる。

 

まず、自分の頭で考える。例えば映画や読書、講演会で新しい価値観に触れたとき、今までは「面白かった」「すごかった」という感想だけで終わっていた。なぜ面白いとおもったのか、なぜすごいと思ったのか、これらを抽象化し具体化することで、ほかの場面で活かすことが出来る。また、インプットを自分なりに咀嚼してアウトプットすることで、自分の経験として定着しやすくなる。このような身近なところから自分の頭で考えることが習慣になれば、仕事においても「今までこうだったから」という理由でなんとなく続いている業務を見直すことができる。この業務の目的は何か、もっと良い方法はないかと自分の頭で考えるようになる。冷静に俯瞰することで、そもそもこの業務は必要なのか、と見直し無駄を削ぎ落すこともできる。そして、もっと必要なことに労力を使うこともできる。

 

次に、時間を大切に使う。無駄な時間というと、休日に自宅でぼーっとしている時間を思い浮かべる人が多いだろう。これは傍から見ると時間を無駄にしているように見える(実際そうかもしれない)が、個人的にこのぼーっとしている時間は大切なのでそこは残したい。私が無駄だと思う時間は、「嫌な気持ちになる時間」。アジェンダの無い何も決まらない会議、社内でのおままごとのような仕事、そもそも必要か不明な仕事、これらはなるべく効率化するか、思い切って辞めることにする。嫌な気持ちになる会議や仕事はその時間だけでなく、そのあとまで嫌な気持ちを引きずり、頭を悩ませる。この時間こそ無駄な時間である。

 

最後に、自分の価値を高める。まずは特別なことはせずに、日々の生活・仕事中で上に挙げた二つを大切にすることで自分の価値を高めていけると思う。自分の頭で考え、時間を大切にし、価値を高めること。それ自体が“目的”ではなく、あくまでも、楽しい生活を送るための“手段”である。

 

仕事や家庭のことでモヤモヤしている方にはぜひこの本を読んでもらいたい。今までの当たり前を疑うことで物事の見方、考え方が変わり、これからのヒントになるだろう。

 

自分を変えたい、環境を変えたい、という方。一緒に頑張りましょう。