ねこになりたい

読書と備忘録

前田裕二 メモの魔力

この本を読んで、メモをとる意味が変わった。

忘れないためにとるメモではなく、アイディアを生むためのメモをとることで、メモが自分の財産なると思った。普段の何気ない情報、曖昧な感覚・概念を文字としてアウトプットし、思考を深めることで、価値のあるものになる。

 

印象に残った点は3つある。
1つ目は、メモからアイディアを生んだり、新しく価値を生み出すためには「事実(ファクト)→抽象化→転用」という流れが知的生産メモにおける最大のポイントだということ。この「抽象化」という脳の使い方が非常に重要である。
今までのメモは「事実(ファクト)」で終わっていた。これを「抽象化」することで、他の分野ではどう活かせるか、自分の仕事にはどう応用できるか、と「転用」する。それが価値のあるメモになる。


 2つ目は、メモで自分を知るということ。今後時代の流れは「集団」から「個」へのフォーカス。時代に取り残されないためにも「個」の価値を高めること。そのためにも自己分析が必要である。「なぜそう思ったのか」「なぜそれが好きなのか」この「なぜ」を徹底的に追及すること。それを抽象化し人生の軸を知り、「自分は何をしたいのか」まで転用することが大事である。


 3つ目は、メモをとることは、姿勢の可視化だということ。メモはコミュニケーションツールとして非常に有用である。メモをとるかとらないか(とる姿勢を見せるか見せないか)で相手の印象は異なる。感情には返報性(跳ね返り)があるため、メモをとることにより特別な敬意を示せば、相手も自分に対して特別な敬意を抱いてくれるようになるという。メモをとることで、より深い話ができ、実りある会話になる。

 

 私たちは、日頃膨大な情報に晒されているが、それが素通りしてしまうのはもったいない。自分の価値を高めるため、人生をよりよく生きるためにも「価値のあるメモをとる」ということは大切だ。まずはお気に入りのノートとペンを買い、メモをとることを習慣化したい。そして事実→抽象化→転用と思考を深め、個の価値を高めていきたい。