コンサル1年目が学ぶこと 大石哲之
本書を読むことで
・職業、業界問わず15年、20年と生き続ける普遍的に役立つスキルを
・社会人1年目で学んだ時の基礎的なレベルから
理解できるようになる、と著者は言っています。
本書の成り立ちがまたおもしろいなと感じました。
新人時代から15~20年経った、現在35~40歳の元コンサルタントの方々に取材をして、新人時代に学んだことで今でも記憶に残っていること・役に立っていること・立場が変わっても通用することを挙げてもらったそうです。
取材をした元コンサルタントの方々は、多種多様な業界で活躍されているようです。
なんだか信憑性がグンとあがりますよね。
話す技術
まずはよく言われる「結論から話す」
これは本当に大事です。
結局何?ってなること、よくありますよね。
結論から話すにはPREP型が分かりやすいです。
Point・・・結論
Reason・・・理由づけ
Example・・・具体例
Point・・・結論で締める
この形は面接試験や小論文と同じ形です。
ビジネスにおける会話でも「結論から話す」ことが重視されます。就職する前の面接・小論文でも相手に分かりやすく簡潔に伝える能力や、論理的思考が求められています。それだけ基本的なことでもあり、普遍的で大切なことです。
Talk Straight
=駆け引き抜きに率直に、簡潔に、端的に。
何か聞かれたときに言い訳ではなく率直にイエス・ノーを言うこと。
イエス・ノーがはっきりすると「なぜ?」へ進める。問題の所在が分かる。
何かミスがあったときなど、怒られたくない、自分のせいじゃない、という気持ちもあると思います。しかし、言い訳を並べるよりも事実を述べることで問題解決に向けて次へ進むことができます。
ただし、これはあくまでも心理的安全性のある職場というのが前提だよなぁと思いました。駆け引きなく、回りくどくなく、円滑に仕事を進めるためにも「心理的安全性」って大切ですね。
思考術
常に自分の意見をもって情報にあたること。
情報の量ではなく"考える"ことが重要。
情報の量を集めることは“考える”ことではない。
情報を集める→バラバラだったものをまとめる→だから何?→本質
この"本質"を提示して初めて“考えた”と言える。
『パン屋ではおにぎりを売れ』でも書いてましたね。
調べる、まとめるは考えるではないですよ、と。
調べものをするときどうしていますか?
スマホで検索して上から1~3番目の記事をバーっと読む。という人が多いかと思います。私もそうです。
では、1か月後、それについて何も見ないで話せますか?
私は話せないです。
最近それをものすごく反省しています。
本を読んだり映画をみたりしても、その場では「なるほど」「すごいな」と思いますが、「だから何?」が綺麗さっぱり抜けていて、自分の中に蓄積されていませんでした。
そこでノートを書いてみたり、このブログで読書の記録をつけよう、と実践しているところです。
デスクワーク術
新人の仕事とされる議事録作成。
議事録はビジネス文書の基本ルール・作法がぎっしり詰まっている。
ありがちなのが議事録ではなく発言録になっていること。
議事録は後日の証拠となるように決定事項を簡潔に書くことが求められます。
それに加えて「決まらなかったこと」「確認が必要なこと」「次回までしておくこと」を書くと良いでしょう。
議事録作成の初めに
1,アジェンダ
2,決まったこと
3,決まらなかったこと
4,確認が必要なこと
5,次回までしておくこと
などを箇条書きに書いてから書き始めると良さそうですね。
ビジネスマインド
バリューを出す
バリューとは付加価値のこと。つまり、相手に対する貢献です。
学生と社会人の違いは、自分のやりたいことではなく、相手が求めていることをするという視点です。仕事の価値を決めるのは自分ではなく、あくまでも相手です。
これを履き違えていつまでも「生産者」に回れない人がいます。社会人は「消費者」ではなく「生産者」。いかに会社に貢献するかと、その先の顧客の満足を考えるかです。
Quick and Dirty
直訳すると「素早く汚く」
つまり、完璧でなくてもいいから早く出すことが求められます。
ちなみに反対語はSlow and Beautyです。
時間をかけて完璧なものを目指すよりも、多少汚くてもかまわないので、早く作ること、そしてPDCAサイクルを高速で回していくことが必要です。
Slow and Beautyで失敗や失敗の可能性を抱え込んでおくことはリスクです。
これは私も常に意識しています。
上司からの振られた仕事を7割程度の出来で素早く提出しています。
新人の頃は完璧に早く出そう!と一生懸命、それこそ家に持ち帰ってまでやっていましたが、数年もすると、どうせいろいろ修正されるだろう、変なところは教えてくれるから上司に任せよう、と6~7割の出来で提出するようになりました。
動機は省エネな感じでズレていますが、結果としてこの仕事のやり方は良かったと感じています。
時間をかけずに、まずは大枠の方向性が合っているか、上司と私の認識がズレていないかを確認するためにも、「素早く汚く」は賢い仕事の仕方だと思います。
また、6~7割の仕事でOKを出されたら少し見栄えを綺麗にして完成とします。
これはオススメです。
本書にはこの他にもすぐに実践できそうな仕事のコツ・考え方が詰まっています。入社1年目、学生の時に読みたかったなーと思います。
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